カンポ・ディ・マンドリエ 2015
国:Italy (イタリア)
地域:Campania (カンパーニア)
品種:Falanghina (ファランギーナ)
タイプ:Orange (オレンジ)
土壌:石灰質、粘土質
栽培:ビオロジック
醸造:10月上旬に手積みで収穫されたファランギーナをセメントタンクとトノーに分けて自然発酵。
マセラシオンを2日間行い、その後シュール・リー状態でセメントとトノーそれぞれで12ヶ月間熟成。
ボトル詰めの際の清澄作業とフィルタリングは行わずに最低1ヶ月の瓶熟成後リリース。
SO2:So2はプレス後と瓶詰め前に極少量。
度数:13.5%
インポータコメント
ジョヴァンニの主力ワイン。
ワイン名は街にある道の名前で、「家畜の群れの広場」という意味より自然をイメージできることから。
白い花と麦わらのような香ばしさ、熟した果実と蜜のニュアンスがあります。
ハーブの爽やかさとエキゾチックなスパイスの香りなどさまざまな表情を持っています。
マセラシオンによるボリューム感と葡萄本来の完熟した果実味に加え、土壌から来るミネラルと上質な酸味があり、バランスに優れています。
タンニンは極僅かに感じる程度でしつこくなく、旨味のあるドライな余韻があります。
■生産者
Giovanni Iannucci (ジョヴァンニ・イアヌッチ)
本拠地:イタリア・カンパーニア
造り手:ジョヴァンニ・イアヌッツィ
弱冠30歳のジョヴァンニ・イアヌッツィ。
2012年に始めたばかりのこの若き造り手はカンパーニャ州のグアルディア・サンフラモンディにワイナリーを構え、父から譲り受けた約2haの畑でワインを造っています。
イアヌッツィ家はジョヴァンニの祖父の代からブドウ栽培を行っており、共同組合への販売や、自家消費用ワインとして瓶詰めしていました。
そのような中でジョヴァンニは、昔からの伝統を守りつつ、いかにテロワールとブドウの特徴を伝えられるかを念頭に置いたワイン造りを始めました。
海抜200mの立地にあるジョヴァンニの畑は、地中海からの温暖な風と山からの冷たい風が良く通り、ブドウ栽培に適切なミクロクリマを生み出します。
土壌は石灰質に粘土質が混じり、豊富なミネラルを備えたブドウが育ちます。
畑での作業は現在はジョヴァンニと父が2人で行います。祖父の代から一切の肥料や農薬は使われず、使用するのは必要最低限の銅と硫黄のみです。
自然なワイン造りはジョヴァンニにとって、祖父の代から受け継がれている当たり前の方法です。
彼の畑では3つのブドウ品種が栽培されています。
1つ目はカンパーニャ州を代表するファランギーナ種。
もう一つは最近注目を集めている、バルべーラ・デル・サッニオ種。
このバルべーラは、ピエモンテ州のバルべーラと間違われますが、全く関係の無いブドウ品種です。
この地で昔から栽培されていた土着品種で、華やかな香りと飲み心地の良さ、繊細な余韻が評価され、絶滅しかけていたこの品種を栽培する生産者が近年増加してきています。
最後の1つはトレッビアーノ種。
カンパーニャでトレッビアーノという品種はなかなか珍しく思われますが、この地域では昔からトレッビアーノとマルヴァジアが栽培されていました。
しかし、現在ではファランギーナやアリアニコの国際的な人気もあり、多くの樹が植え替えられたのです。
植え替えをしていないジョヴァンニ達からすれば、土着品種のような感覚でワインを造っています。
ジョヴァンニのワイン造りでさらに特徴的なのが、唯一生産本数のまとまっているファランギーナ以外は熟成を「ダミジャーノ」と呼ばれる大きなフラスコ型の容器を使用しています。
大体30〜50lくらいのサイズがあり、自家消費ワインの発酵、貯蔵や量り売りなどで使用される容器です。
イタリアで生活をしていた事のある方々は馴染みがあるかもしれません。
トレッビアーノは発酵&熟成、バルべーラは熟成時に使用しています。
生産本数が少ないので大きなタンクを使用しなくても良いという事から、昔ながらのこの容器を使用し続けているそうです。
全てのワインは自然発酵、ノンフィルターで清澄作業を行わずに瓶詰め。
So2の添加はブドウプレス時と瓶詰め時に極少量を添加するだけです。
ナチュラルな造りですが、ワイン自体は非常に端正でエレガントな状態に仕上がっています。