クール・トゥジュール 2018
国:France (フランス)
地域:Languedoc (ラングドック)
品種:Macabeu (マカブー) 70%
Carignan Gris (カリニャン・グリ)
タイプ:White (白)
栽培:ビオロジック
SO2:9mg/L
度数:12%
インポータコメント
ワイン名の由来は、2003年の仕込みの時、マカブー種の発酵が延々と続いたことから。
この年が初めてのワイン造りだったため、てんてこ舞いで文字通り走りっぱなしだったこと。
クール・トゥジュールとは『ずっと走る』という意味。
これは、ずっと走り続け、何かを得るということ。
そして、ぶどうを栽培しワインを醸造するのに、「普通なら・・・」という形式にとらわれた意味のないルールをいろいろと要求されることに対して、「そんなこと知るか!ほおっておけ」というフランス語の表現でもある。
ワイン造りに関するいろいろなしがらみをちゃかすユーモアも含む。
古い協同組合の醸造所を手に入れたのは2003年8月14日、
その翌日が彼にとって収穫の開始日でした。
アルデッシュからルーションまで往復し、慌ただしく走り続けるロイック氏の姿を見て奥様のマリーさんが命名したキュヴェがこのクゥール・トゥージュールです。
2013年より還元を避けるために意図的に熟成中の目減り分の補酒(ウィヤージュ)を施さず自然な酸化を伴う造りにしていましたが酸化や産膜酵母(フロール)を思わせる香りは感じられず、それでいて抜栓後全く崩れることがないバランスに驚かされます。
マカブーとカリニャン・グリの収穫のタイミングを近づけることによって混醸による一体感のある果実味が出来ました。
抜栓直後はわずかに揮発酸が感じられますが、除光液というよりは玉ねぎを刻んだ時の印象に近く不快感はありません。
やや還元的でタイトな酒駆を想起させる香りの立ち上がり。
口に含むと、スポンジから染み出すような白桃やメロンがジュワジュワと浸透してきます。
淡い白系果実の重なり、硬質な酸の張り出しが例年より大きな輪郭を描きます。
パノラマ状に広がる余韻。
ポテンシャルの高さは年々向上しています。
酸化熟成とありますが、酸化の要素は全く感じさせません。
標高の高いルーションはどこかサヴォアにも似た孤高の美しさがあります。
■生産者
Le Temps des Cerises (ル・トン・デ・スリーズ)
本拠地:フランス・ラングドック
造り手:アクセル・プリュファー
ドイツ出身のアクセル・プリュファー氏はワインに興味を持ったことがきっかけでラングドックに移住、醸造を学び、マルセル・リショー、ギイ・ブルトン、ヤン・ロエル、グリオットなど自然派の生産者から多くの教えを受けました。
そして2004年、ついに自分の醸造所を持ち、ファーストヴィンテージをリリースしました。
ごくごくナチュラルに自然のままのぶどうでワインを造るのが理想というアクセルは、健全なぶどうを作ることが一番の目標。
毎日の大変な畑作業も「良いぶどうが出来ることを考えれば面倒な作業も楽しく思えるんだ」と日々、元気に動き回っています。
「ル トン デ スリーズ(さくらんぼの実る頃)」は、1866年にジャン=バティスト クレマンによって作詞され、アントワーヌ ルナールの手によって作曲されたフランスの古い歌曲。
この曲は後に、パリ コミューンをめぐる歴史に強く関連付けられ、作詞家のジャン=バティスト クレマンが想いを寄せていた女性が、「血の一週間」の間に殺害され、彼女を失った悲しさと儚い恋の想いを綴ったものと言われています。
このパリ コミューンは、ドイツ プロイセン王国との戦争に敗れたフランスの政府とパリ市民の和平交渉をめぐる対立から生まれたパリ市民による革命自治体でした。
その対立は、フランス(ヴェルサイユ)臨時政府とパリ コミューンの内戦とつながり、パリ全土が戦火に焼かれることになります。
この戦闘は後に「血の一週間」と呼ばれ、政府軍は、パリ コミューンの兵士や市民を裁判などを経ずに銃殺するなどして3万人にも及ぶパリ市民を殺害し、パリを鎮圧。
そんな悲劇から生まれた歌曲から自らのドメーヌ名をとりました。