レ・スーヴニール エクストラ・ブリュット プルミエ・クリュ NV(2022)
国:France (フランス)
地域:Champagne (シャンパーニュ)
品種:Pinot Noir (ピノ・ノワール) 1/3
Chardonnay (シャルドネ) 1/3
Pinot Meunier (ピノ・ムニエ) 1/3
タイプ:Sparkling (スパークリング)
度数:12.5%
インポータコメント
畑・土壌:Vrigny村 石灰岩基盤岩の土壌
醸造・熟成:海外での経験、インスピレーションを反映させ、何者でもない独立した存在のシャンパーニュを目指します。
天然酵母での発酵、3品種の混醸造、MLFさせます。
二次発酵前のヴァン・クレールは主にタランソー産の古樽と60Lのガラス瓶ダム・ジャンヌで熟成。
清澄せず。ドサージュ4g/L
抜栓直後からドサージュ由来ではなく完熟由来の開放的な香り。
洋ナシ、甘く熟した蜜リンゴの擦りおろし、ごくわずかな酸化のアクセント。
奥から上昇するホイップクリームやシュー生地を思わせる香味、決して樽だけに由来しない香ばしさ。
口に含んだ瞬間から遮蔽物無く水平に広がる果実がエチケットの世界のように鏡面に反射して上下に膨らみ球体を造る。
まだ若いワインにも関わらず泡がワイン本体に溶け込み半エキス化して重さの無い無重力なムース状の質感。
中間から後半にかけて果実が失速したり霧散することなく、酸の支えが浮遊する果実を照らし出して実体化するような錯覚。
レンブラントの絵画のような光を当てて陰影を描くような世界観。
外観、持続性、外観で判断されるような露骨に強いガス圧を感じさせず泡が果実に飲み込まれたようなタッチ。
亜硫酸添加の少なさに由来する遮蔽のないパノラマ的な果実の拡散。
甘さではなく時間軸を繋ぐ発想のドサージュならではのフレッシュさと熟成感の二律背反性。
ランスの冷涼な酸主体の味わいとも、メニルの高い緊張感を持ったスタイルとも異なる。
ふんわりと空気を含んだような質感とチャーミングな果実味はまさにヴァレ・ド・ラ・マルヌ的です。
生産量1,500本というごく少量のプロジェクトだから成し得る世界観を追いかけて欲しいです。
■生産者
ecume (エキューム)
本拠地:フランス・シャンパーニュ
ジャン=フランソワはとても興味深い経歴の持ち主です。
シャンパーニュで生まれ育ちながらもブルゴーニュのボーヌで2年間ブドウ栽培を学びます。
その後ディジョンのブルゴーニュ大学でブドウ栽培のライセンスを取得。
レオヴィル・ラス・カーズで研修を受けシャンパーニュに戻りランスで醸造のDNOエノロゴを取得します。
国内外での経験も豊富で、イタリアのアヴィニョネージ、アメリカではドルーアン・オレゴン、オーストラリア、日本には2年間滞在しています。(後になって思い出しましたが実はこの時に僕は彼に会っていたのです。)
イギリス、本国フランスに戻りシャトー・ラトゥールで2年間務めるなどと多岐に渡ります。
近年、躍進目覚ましいオーブのブドウ栽培農家では距離的なアドバンテージのあるブルゴーニュで研修することは珍しくありません。
しかしジャン=フランソワはヴァレ・ド・ラ・マルヌ、シャンパーニュの造り手でありながら世界各地で発泡酒ではなく全ての礎となる“ワイン”と向き合ってきました。
ワインとして評価出来る酒質を追い求めるための彼の旅はここからまた始まります。
彼のシャンパーニュはまさに泡を帯びたワインであり長い余韻があります。