シラー・スール・グラニット 2021
国:France (フランス)
地域:Auvergne (オーヴェルニュ)
品種:Syrah (シラー)
タイプ:Red (赤)
度数:13%
インポータコメント
ラトゥール・ド・フランス(ペルピニャンから西に30km)の北向きで標高400mに位置する、グラニット土壌の葡萄を使用。
除梗した葡萄を3週間マセラシオン。
600Lの樽で8ヶ月間発酵と熟成。
2022年7月に瓶詰め。
紫がかった深紅の色合い。
熟したブラックベリーや赤い果実のドライフルーツが混ざり合う果実香に、紫の花のドライフラワー、ビターカカオ、紅茶、土などを想わせる香りが加わり、かぐわしい果実の香りに深みや落ち着いた様子が感じられます。
緻密感がありながら雑味のないミディアムタッチ。
滑らかな舌触りですっと馴染むように口中へと沁み渡ります。
口中では香りの印象よりも黒系果実のドライフールのニュアンスを感じ、ダージリンのように気品のある香り、ビターカカオやクローブの甘苦さ、カルダモンの清涼感、仄かなバニラの風味が円みやまろやかさを与えています。
アタックの赤い果実の風味や鼻腔に抜けるグレナデンの香りが、充実感のある風味を口中に留めながら可愛らしい印象を引き立てます。
エキスの詰まった果実味や深み、複雑性が感じられますが、不思議と重たさがなくスムーズな飲み心地の仕上がりです。
■生産者
Les Terres Barioles (レ・テール・バリオレ)
本拠地:フランス・オーヴェルニュ
エドアルド・ヴェルトロー二(Edoardo VELTRONI )&クレール・フレスト(Claire FREIST)はオーヴェルニュ地方の中心、ピュイ・ド・ドーム県内のシャリュという標高500mに位置する小さな街で2022年からワイン造りをしている若手カップルです。
Les Terres Barioleesとは「多彩な大地」という意味で、彼らが所有する畑の土壌構成を指します。
粘土質の強いマルヌや粘土石灰を始め、シストや赤土、オーヴェルニュ特有の花崗岩バザルトなど多種多様な土壌に葡萄が育ちます。
二人とも基本的にはクラシカルなドメーヌでの経験を持ちますが、彼らは初ヴィンテージから亜硫酸を含む添加物を一切使用しない自然なワイン造りに挑戦しています。
オーヴェルニュ出身のクレールは過去にシャサーニュ・モンラッシェのベルナール・モローを含むブルゴーニュをはじめ、短期間ニュージーランドにも渡り約5年間の修行をしました。
イタリア出身のエドアルドはトスカーナのフォンテレンツァやシャンパーニュのアンドレ・ボーフォール、そしてブルゴーニュを含む多地域で約7年間の経験を積みました。
二人はブルゴーニュでの研修期間中に出会い、クレールの出身地オーヴェルニュで独立することを決意し現在に至ります。
近年オーヴェルニュでは特に乾燥した気候が続いており、雨不足の影響で醸造時に滞る傾向にある発酵プロセスが初年度から彼らを悩ませました。
しかし、お互いの考えを真剣にぶつけ合い、対等に論じサポートし合える彼らの関係性はとてもポジティブであり、二人で切磋琢磨して目指す方向に向かっています。
いずれは二人の哲学が本当の意味で融合・調和し、標高が高く多彩な土壌構成を持つこのオーヴェルニュという地で彼ららしいワインを造り出していくことでしょう。