ピノ・ノワール・テロワール・ド・ロッシュ 2022
国:France(フランス)
地域:Alsace (アルザス)
品種:Pinot Noir (ピノ・ノワール)
タイプ:Red (赤)
栽培:ビオディナミ
度数:12%
インポータコメント
10%は全房で、90%は除梗して一緒にマセラシオン。
プレスした後、80%をステンレスタンク、20%を228Lの樽で8ヶ月間の発酵と熟成。
瓶詰め前にブレンド。
鮮やかなルビー色。
熟した苺やグリオットチェリーのコンフィチュール、ドライ苺、グレナデンなど充実感のある甘さ控えめの赤い果実香りに、ドライフラワーやお香、土、カルダモンやコリアンダーパウダーなどのスパイスの香りが加わり、しっとりとした落ち着きのある印象を受けます。
冷涼感のある軽やかな飲み心地で、上品な様子を伺わせながら滑らかに口中へと沁み渡ります。
口当たりは繊細ですが、口中に膨らむ風味は赤い果実のほどよい凝縮感にポプリや土、スパイス、ビターな風味、微細なタンニンが溶け込み深みや奥行きを感じます。
この先の熟成で更に柔らかくエレガントな様子が引き出されていくことでしょう。
■生産者
Maison Moritz Prado (メゾン・モリッツ・プラド)
本拠地:フランス・アルザス
Maison Moritz Pradoは2018年からアルベという人口約500人の小さな村でワイン造りをしています。
フランス人の夫のギラン・モリッツは過去にポルトガルのDomaine Conceitoで収穫作業、ブルゴーニュのDomaine Devillardに5年間勤務後、ルーマニアのDomaine Avincisで7年間総合責任者を務めるなど、豊富な経験を持ちます。
コロンビア人の妻のアンジェラ・プラドは金融の修士号を持ち、当初は金融の世界でキャリアスタートを切りましたが、ギランとの出会い機にルーマニアに移り、ギランと共にドメーヌでワイン造りの経験を積みました。
その後二人は独立を決意し、フランス国内でブルゴーニュ、ボルドー、ロワールなど畑を探し回りましたが、近年気候が及ぼす大きな影響やワインの好みなどを考慮し、総合的に過小評価されていたアルザスを選びました。
その中でもアルベは非常に小さいアペラシオンに関わらず、すり鉢状の内側に位置する畑の標高は約350m〜500mで冷涼な気候で、土壌の性質は主にシストというワインに冷涼感が出やすい環境です。
ぶどうの生育が平地と比べて約2週間ほど遅く、開花時期の霜の影響が比較的低く毎年安定した収穫が出来る傾向にあるところも大きな魅力です。
強い冷涼感のあるワインを好む二人は、特に近年の地球温暖化に対応できているこの理想的な条件から、自身が納得のいくワインを造る事ができるこの土地のポテンシャルに魅了されドメーヌ設立に至りました。
彼らのワインには、常にとても笑顔でエネルギッシュな二人の明るい面と、非常に真面目な部分の両方が写し出されているように感じます。
自然に対して大きなリスペクトを払う彼らは、フランス全体のヴィンテージ毎の特徴というよりは、アルベ単体のその年とテロワールの特徴を最大限表すようにワインを造ります。
今後の将来にも更に期待が高まる生産者です。