レ・グラン・ゾルグ 2020
国:France (フランス)
地域:Auvergne (オーヴェルニュ)
品種:Pinot Noir (ピノ・ノワール)
タイプ:Red (赤)
度数:13%
インポータコメント
15日間タンクでマセラシオン。
ジャーで18ヶ月間の発酵と熟成。
その後樽で18ヶ月間の熟成。
仄かにオレンジがかった中程度の赤色。
ドライ苺など充実感のある赤い果実の香りに、バラのドライフラワー、土、オールスパイスなどの香りが加わり、しっとりと落ち着きのある印象が伺えます。
角の取れた円みのある口あたりで滑らかに口中へと沁み渡ります。
赤い果実の果汁のような明るさ、ほどよい甘みと凝縮感のあるトーンの低い果実味が混ざり合いながら広がり、徐々にドライフラワーや軽いフュメ香などの様々な要素が重なっていき、複雑性や奥行きが感じられます。
アフターにかけて梅かつおのような旨味感が現れ、さらに深みや魅惑的な味わいを引き立てます。
■生産者
Frederic Gounan (フレデリック・グナン)
本拠地:フランス・オーヴェルニュ
フレデリック・グナンは1960年に生まれ、プラスティック製造の会社や家具職人、そして屋根職人を経て装飾的なオートバイを作る仕事をしてきました。
しかし、外観の美しさを優先したものではなく運転性能に優れたオートバイを作りたくて友人と会社を設立、この会社を約7年続けておりましたが、あるバイクメーカーに二人ともヘッドハンティングされてメカニックとして勤務することになり、これが彼の人生を大きく変えるきっかけとなったのです。
当時は入社後3年間を様々な企業で研修を受けるカリキュラムがあり、フレデリックは有機栽培を行うワイン生産者へ行くことになりました。
ブルゴーニュのエマニュエル・ジブロ、ティエリー・ギュイヨ、ジャン・クロード・ラトー、ドミニク・ドュランで剪定から収穫と醸造まで1年を通じて研修を受け、ブドウを有機栽培して可能な限り人的関与を控えるワインの醸造に極めて強い興味を覚えて、彼が40歳になった2000年にブドウ栽培とワイン醸造の道を歩き始めました。
人物像はまず第一に心の優しい人、そしていつも楽しそうに微笑んでいる、人生を楽しむことに長けた人だなと感じます。
オートバイのメカニックとして引き抜かれた直後に、そのメーカーの良くないと感じる部分(モノ造りにおける考え方から仕事の進め方など)を挙げ批判したことで、入社直後から気まずいことになったらしく、彼の経歴なども考えると根っからの職人気質の持ち主で、理想を追求するため妥協を排するタイプだろうと思います。
今でも醸造所の隣には彼の小さな整備工場があり、2019年には60年代のロータスセブンをフルレストアしました。
オーヴェルニュの葡萄畑のそばを、彼の愛車が通り過ぎていくのを目にする日があるかもしれません。