オニス・エトワレ 2023
国:France (フランス)
地域:Loire (ロワール)
品種:Pineau d'Aunis (ピノ・ドニス)
タイプ:Red (赤)
SO2:無添加
度数:11%
インポータコメント
全房で4日間マセラシオン。
樽で10ヶ月間の発酵と熟成。
薄濁りのやや淡いガーネット色。
ドライ苺やフランボワーズなどの充実感のある赤い果実を主体に、黒系果実、ドライフラワー、カルダモンや白胡椒を想わせる爽やかなスパイスが調和した香りが立ち上ります。
口に含むと、繊細で清らかなライトタッチで、瑞々しさを保つエキスの詰まった可憐な赤い果実の風味に、仄かな生姜のニュアンスがアクセントを添え、抑揚を与えながら伸びやかに広がります。
次第に、ドライフラワーやハーブ、セミドライの黒いちじく、黒糖、枯れ葉、仄かなスモーキーさが少しずつ重なり、複雑味と奥行きの感じられる余韻へと導きます。
ピュアで上品な果実味と滋味深い複雑さを兼ね備えた仕上がりです。
■生産者
Deboutbertin (ドゥブーベルタン)
本拠地:フランス・ロワール
ナチュラルワイン黎明期の2000年前後、ナチュラルワインの作り手は今に比べて比較にならないほど少なかったけれど、印象的なワインを造る生産者はとても多かったです。
欠点だらけでも伸びやかで個性的、まるで職人の魂が宿ったようで、エネルギーが溢れんばかりの液体でした。
ドゥブーベルタンもまた、あの頃のようなワインを作る生産者の一人です。
市場への迎合を意識した気配が全く感じられず、伝わってくるのは、葡萄と真摯に向き合う姿勢でした。
葡萄本来の持ち味が何ひとつ曇ることなく表現されており、クラシカルでもナチュラルでもなく、「オーセンティック」という表現が最もふさわしいように感じるのです。
それは、ボージョレのミッシェル・ギニエ、ロワールのフィル・ド・ソワ、ラングドックのフォンテディクトといった、液体に純粋さと強固な信念が宿る生産者たちに通じるものがあります。
二人が赤ワインを醸造する際にピジャージュを介して抽出する理由は、それを抑えた場合に得られる短期的な親しみやすさよりも、長期にわたる液体の最高到達点を追求するためです。
ワインが若いうちは親しみにくさや硬い印象が前面に出ることもありますが、その奥には体に染み渡るようなシームレスな側面を感じられます。
これらの要素は5〜10年ほどの熟成を経て徐々にまとまり、ようやく真価を発揮します。
将来が約束されたワインだからこそ、私たちが必要に応じた熟成をさせてからリリースすることを前提としています。
※ピジャージュ:タンク内で発酵中に、表面に浮き上がってきたぶどうを櫂(かい)や人力で突き崩し、液体の中に沈めて撹拌する作業のこと。
ドゥブーベルタンの拠点はロワール地方のフェイ=ダンジュです。
シリル・ルモワンをはじめ、オリヴィエ・クザンやジャン=フランソワ・シェネのもとで経験を積み、2012年に独立しました。
畑仕事は全て手作業で、耕作は二頭の愛馬とともに行います。
畑には生垣や約200種類に及ぶ果樹や蜜源樹が植えられ、そこは単なる葡萄畑というより、一つの生態系と呼ぶ方がふさわしい風景です。
近隣では「ワイン生産者」ではなく「小さな有機農家」と呼ばれ、将来的には養蜂や自家菜園を通じて食料自給率を向上させるのも目標に掲げています。
自然と共に生きるからこそ畏敬の念が生まれ、その姿勢が彼らを独自のワイン造りへ導き、唯一無二の個性を生み出しているのだと感じます。