オレンジ・ワン 2015
国:Italy (イタリア)
地域:Friuli (フリウリ)
品種:Ribolla Gialla (リボッラ・ジャッラ) 50%
Malvasia (マルヴァジア)
Friulano (フリウラーノ)
タイプ:Orange (オレンジ)
栽培:ビオロジック
醸造:手作業にて収穫。
全除梗後、木製の上面開放型発酵槽にて野生酵母のみを使い発酵。
約1ヶ月マセラシオン。
スラヴォニアンオーク樽(15-25hl)内シュール・リーにて30ヶ月熟成。
SO2:無添加
度数:12%
インポータコメント
ブロンズがかった琥珀色。
杏や梨、枇杷など落ち着きのある果実香に加え、蜂蜜の甘い香りやミネラルのニュアンス。
ほのかなタンニンが感じられ、梨などのしっとりとした果実味が優しく口中に広がります。
余韻にはまろやかな酸味や柔らかい果実の旨味が優しく舌に残ります。
■生産者
PARASCHOS (パラスコス)
本拠地:イタリア・フリウリ
パラスコスはスロヴェニアの国境にほど近いサン・フロリアーノ村に位置する生産者。
オーナーのエヴァンジェロスはギリシャ生まれで薬剤師になるという夢のためトリエステ大学に入学。
そこで地元の女性と結婚した後、奥さんの実家であるレストラン経営を引き継ぎ自家消費用でワインの生産を開始。
その後、地元コッリオのカリスマ生産者グラヴナーやラディコンとの出会いにより、エヴァンジェロスのワイン造りに対する情熱が加速し、1997年より本格的なワインの生産を開始しました。
設立当初は設備も揃っておらず基本的な醸造工程をとっていましたが、2003年より新しいワイナリーを建設し、グラヴナーたちの提唱する「メトド・ナチュラーレ(自然醸造)」へと切り替え、自然酵母のみでの発酵とSO2の不使用、または必要最小限の使用(15mg/ℓ程度)での醸造を行います。
また、フリウリ・コッリオでよく見られる白ワインの発酵の際のマセラシオンも行います。
パラスコスのワインに大きく描かれている円周率で使われる「π(パイ)」の文字はエヴァンジェロスの故郷ギリシャの文字で「P」。
パラスコスの頭文字を自身のルーツの文字で表現するとともに、古くから続く自然のサイクルを円に見立て、パラスコスのワイン造り、そしてエヴァンジェロス自身も自然のサイクルの一部であるという意味も込められております。
パラスコスの畑
パラスコスの畑はワイナリーの周辺に点在し、標高は150-300m程度、アルプスから吹く北風とアドリア海側から吹く暖かい風が昼夜の寒暖差をもたらし、また風通しの良い丘に畑が位置するため病気等のリスクが少なく、非常に葡萄栽培に適した環境です。
土壌はコッリオの特徴である「ポンカ」と呼ばれる粘土質やシルト(大きめの砂質)、フリッシュ(白亜紀初期〜第三紀漸新世の砂岩・泥岩)の混じる土壌。
パラスコスの畑では消費者の健康、そして環境への配慮の為、1997年より一切の化学肥料を使わない有機栽培へと切り替えております。
樹齢は若いものでも20年、品種によっては80年のものもあり、深く土壌に根ざした葡萄の木は、表面に生い茂る雑草に栄養を奪われることもなくテロワールを最大限表現した味わいの果実を結実させます。
醸造
手作業で収穫された葡萄は軽く破砕され、木製の上面開放型発酵槽に入れて野生酵母のみで発酵されます。その後定期的にピジャージュを行いながら白ワインで3〜5日、赤ワインで3週間〜1ヶ月のマセラシオンを行います。
熟成はスラヴォニア産オークの大樽にて2年〜4年行われます。瓶詰めはノンフィルター、SO2は不使用にて行われます。
上級キュヴェ「アンフォレウス」に使用しているアンフォラ
パラスコスでは「ピトス」と呼ばれるギリシャ産の容量250ℓのアンフォラを使用しています。
内部はドレーニャ・デル・コッリオ産の蜜蝋でコーティングされており、気密性を高めております。
また、パラスコスでは、アンフォラを地中に埋めると温度が上がりづらくMLFが起こりづらくなるとの考えから、アンフォラは地上に置いて醸造を行っております。