ミュスカ・ダルザス 2022
国:France(フランス)
地域:Alsace (アルザス)
品種:Muscat (ミュスカ)
タイプ:White (白)、やや辛口
栽培:ビオロジック
度数:13.5%
インポータコメント
2022ヴィンテージはキリリとしまった酸とミュスカらしい心地よい豊かな香りのドライな仕上がり。
すっきり飲み心地の良い1本です。
■生産者
Laurent Barth (ローラン・バルツ)
本拠地:フランス・アルザス
アルザス地方のワイン産地の中心となるコルマールから北に数kmの「ベンヴィール村=Bennwihr」にこのドメーヌはあります。
現在オーナーのローラン・バルツ氏が3代目になる家族経営の生産者です。
祖父の代に起こった第二次世界大戦で、ベンヴィール村とぶどう畑は壊滅的な被害を受けましたが、戦後、少しずつぶどう畑を拡大していきました。
父親の代までは収穫したぶどうを協同組合に売ってきました。
生まれたときからぶどう栽培を間近に見ながら育ったローラン氏は、将来ドメーヌを継ぐことに何の迷いもありませんでした。
ディジョン大学で醸造学を専攻し、国家資格である「醸造学者」に合格した彼はボルドー地方のグラン・クリュ1級格付けのシャトー・ムートンほか、シャンパーニュ地方やボジョレーのワイナリーで経験をつみました。
ワインへの興味は留まることを知らず、南アフリカ、カリフォルニア、インドそしてオーストラリアのワイナリーで働いて知識を深めながら腕を磨きました。
そんな折、父親が1998年に亡くなったため、実家に戻って後を継ぎました。
2003年までの5年間は育てたぶどうを組合に売りながら、生産者元詰めを目指して自社畑の研究をしました。
同時に「ビオロジック」農業に移行していったのです。
こうした準備期間をおいて2004年に初めて醸造したワインが完成しました。
高度な醸造学と世界の幅広いワイン造りの経験をいかして、「この土地らしい個性を持ったワイン」を造ろうというのがモットーです。
2007年にはコンポストなど、少しずつビオディナミの手法も取り入れ始めました。
今後、3〜4年かけてビオディナミに移行していく予定です。
アルザス地方の産地を訪ねてやはり特徴的なことは、複雑に入り組んだ地質と立地条件です。
合計3.5haを所有するバルツ家も、27ヶ所に細分化された区画(最小は0.04ha)の個性を生かすようなワイン造りをしています。
良いワインを造るために大切なことは?という質問に、「1日かかっても話しきれないけど・・・」と考え込んだ末に、「これまでとこれから先の様々な経験の上で、畑仕事も醸造もテロワールと品種と造り手を最大限に生かすことかな」と真剣に答える、本当に真面目なローランなのでした。
●栽培
「エコセルト」認定の「ビオロジック」農業実施。土壌の個性を生かし、生産量を落として(認可量の半分以下)、より凝縮したピュアなぶどうを作るよう心がけています。
10月から12月の間に1回、春に1回土を耕し、葉が落ちたら剪定、コンポストはビオディナミの調合のものを使用。
手摘み収穫。
畑での収穫の時と、醸造所で選果台を使っての2度にわたってぶどうを厳選。
●醸造
収穫は午前中のぶどうの温度が上がらないうちに実施し、午後醸造するように注意して、デリケートな部分にまで配慮した醸造を行う。
天然酵母で発酵。
白ワインの発酵は6週間から8ヶ月という具合に、作柄や区画によって期間は様々。
発酵温度は18−20℃の範囲であれば自然に任せ、22℃を超える場合は温度を下げる。
熟成期間は10−12ヶ月。