ティット 2016
国:Portugal (ポルトガル)
地域:Lisboa (リスボア)
品種:Castelao (カステラン)
タイプ:Red (赤)
土壌:石灰質土壌
栽培:ビオディナミ
醸造:低温マセラシオン後、果皮と果汁をすぐに分離し、ステンレスタンクでゆっくり発酵。
度数:12.5%
インポータコメント
凝縮した果実の旨み。
だけど濃すぎず、梅や出汁などを思わせる懐かしい味わい。
■生産者
CASAL FIGUEIRA (カサル・フィゲイラ)
本拠地:ポルトガル・リスボア
造り手:マルタ・ソアレス
マルタ・ソアレスが女性醸造家として活躍するリスボンの蔵元。
リスボン北部の大西洋岸に広がるIGPリスボア、リスボンから真北70kmのところにヴェルメーリャ村がある。
マルタのご主人アントニオ・カルヴァリョの出身地でもあり、彼の家族が代々ブドウ栽培をしてきたエリア。
アントニオは1990年からこの地でワイン造りを始めます。
彼はボルドーで醸造を、モンペリエでブドウ栽培を学び、近代醸造技術よりも有機的なブドウ栽培に共感し、ポルトガルに戻りブドウ栽培を再開。
初めはフランス品種も含め、様々な品種を栽培し、テロワールを表現するワイン造りを目指したが、市場ではその発想が受け入れられず、一度ワイナリーを閉め、アントニオの家族が畑を所有。
アントニオとマルタはその間、スペインのテルモ・ロドリゲスのガリシアのワイナリーで数年働き、アントニオの父が亡くなると、ポルトガルに戻りワイン造りを再開。
しかし、家族の畑は、家族の借金返済のため、2007年売りに出し手放すことになり、アントニオとマルタはヴェルメーリャ村で生活しながら、土着品種の素晴らしい畑を探し始めます。
そして、2007年に見つけたのがヴィタルの畑。
モンテジュント山脈、ポルトガルでは稀有の高標高300〜400m、樹齢50〜100年。
この畑のポテンシャルを瞬時に悟ったアントニオは契約畑とし、ビオディナミを実践、トウリガ・ナシオナル、カステランなどの黒ブドウ品種も含め、土着品種のみでのワイン造りに軸足を定め、リスボアの本当のテロワールを追求し始めます。
その矢先の2009年、突然の心臓疾患でアントニオはこの世を去る。
妻マルタ・ソアレスの職業は画家だが、アントニオが逝く最後の10年間は、彼女も⼀緒になって栽培、ワイン造りをしていたため、ノウハウは持ちあわせており、アントニオの意志を受け継いでいこう、とワイン造りを続けることを決意したのです。
「ビオディナミ、土着のものを大切にし、畑にいて観察を続けること、それが素晴らしいワインを造る鍵だ。」
アントニオが言い続けた言葉を胸に、
「人生で根幹となるもの=農業と、芸術の世界はつながってるべき」と信じる画家でもあるマルタのフィロソフィーを重ね、本物を、その土地を、文化を純粋に表現するワイン造りを追求しています。