ヴィトフスカ T 2013
国:Italy (イタリア)
地域:Friuli (フリウリ)
品種:Vitovska (ヴィトフスカ)
タイプ:Orange (オレンジ)
土壌:石灰岩
栽培:有機栽培
度数:12.5%
インポータコメント
パオロが使っている樽は内側を一切焦がしていないもののため、いわゆる樽香が付くことはないが、それでも樽で熟成させることによって生まれる香りや風味があるという。
ヴィトフスカというブドウ品種の特性をフィーチャーし、よりピュアなヴィトフスカをという想いから、テラコッタ(アンフォラ)という極めてニュートラルなマテリアルでのみ、醗酵から熟成までの全過程を行ったワイン。
アンフォラで皮ごとの醸し醗酵と熟成、プレス後再びアンフォラに戻して熟成。
TはテラコッタのTからきており、2011年からリリースしている。
2011年ヴィンテージは半年間の醸し醗酵&初期段階の熟成の後に圧搾、2年半の熟成を行った。
アンフォラでの熟成は、木樽よりも還元的な環境での熟成のため、タンニンは少し軽くても良いのかも?と考えたパオロ。
2012年ヴィンテージは約半量を半年間皮ごと、残り半分を果帽が浮き上がり醗酵が始まったことが確認できた段階で圧搾し、モストを再度アンフォラに戻して醗酵熟成。
2013年ヴィンテージは約1年の皮ごと醸し醗酵後に圧搾、熟成させている。
■生産者
Vodopivec (ヴォドピーヴェッツ)
本拠地:イタリア・フリウリ
トリエステ県カルソ地区のほぼ中心ズゴーニコにあるヴォドピーヴェッツ家。
代々農業を営んでいますが、パオロ&ヴァルテル兄弟によってワイナリーとして本格的な生産&ボトリングを開始したのは1997年のこと。
カルソという土地を表現するにあたり、ヴィトフスカこそ最良のブドウであると信じ自ら開墾した畑はヴィトフスカのみを植えています。
カルソは石灰岩台地で土が少ないところで、既存の畑というのは土が多かった場所か、もしくは客土(外から土を持ってくること)をしたところであったりします。
彼が最初に開墾した畑も客土をしたそうですが、すごく後悔をしているとのこと。
その後の畑は、土が少なくてすぐに石灰岩の岩盤に当たる所を、まずは表土を除け削岩機のようなもので岩盤を砕き、岩ないし石状にし除けておいた土を戻すという気の遠くなるような作業で、自ら開墾し仕立てたのです。
ブドウの栽培においては当然のことながら一切の灌水を行わず極稀に必要だと判断した場合にのみ牛糞をベースにした完熟堆肥を入れるが飼料もカルソ産の一切農薬を使っていないものを与えられた、カルソで育てられた牛のものを使用。
ありとあらゆる農薬を使わず、数年間はボルドー液さえも使わず海草やミネラル、土など自然素材をベースにした薬剤のみの栽培にも挑戦。
近年はこの薬剤をベースに、ボルドー液の使用は1-2回程度にとどめるようにしています。
これはボルドー液の構成要素である銅が、皮に付着・残留するのを極限まで無くす(減らす)ためで
長期間の醸し醗酵を行うパオロならではの発想なのかもしれません。