イル・バンビーノ 2023
国:Italy (イタリア)
地域:Sicilia (シチリア)
品種:Grillo (グリッロ)
タイプ:White (白)
栽培:
度数:13%
インポータコメント
■生産者
Millami (クリアンテ)
本拠地:イタリア・シチリア
シチリア島西端、マルサラの地に根を張る家族経営のワイナリー。
起源は1950年代、祖父ディエゴ・マッジオとミケーレ・モルセッロ・アンジレリが穀物農業から葡萄栽培へと転じたことに始まる。
以来、土地と家族の物語は世代を超えて紡がれてきた。
その伝統を今日に結びつけているのが、三代目の ファビオ・モルセッロ(Fabio Morsello)。
幼少期から畑で祖父や父の働きを間近に見て育ち、葡萄とともに暮らしてきた。
シチリア農学を学び、マルサラの地に根差した栽培と醸造を自らの使命と定める。
ワイン造りにおいては科学的知識を踏まえながらも、最終的に信じるのは土地と葡萄の声である。
ファビオの哲学は「倫理・敬意・技術」。自然環境に対しては倫理を、土地と家族の歴史に対しては敬意を、そして葡萄を表現する手段として技術を。
三つの柱を軸に、畑とセラーを往復しながら日々の仕事を積み重ねている。
「Millami」という名は Mille(千) と Ami(愛する) を掛け合わせた造語で、「千の愛」を意味する。
名前に込められた通り、彼にとってワインは土地と人への愛の表現であり、ボトルにはマルサラの風土と家族の記憶が宿る。
畑では低収量と多様性を重んじ、農薬や化学肥料を避ける。
収穫は必ず人の手で行い、完熟を見極めて選果する。
セラーでは自然酵母による発酵を基本とし、酸化防止剤の使用は必要最低限。
余計な操作を加えず、年ごとの気候を素直に映すワインを志向する。
ファビオは穏やかで誠実な人物でありながら、土地への強い情熱を秘めている。
彼にとってワイン造りは生業ではなく、生き方そのもの。
「私たちはやがて去るが、この土地は残る」――その言葉は、彼の哲学と人柄を象徴している。
ミッラミのワインは、ファビオの姿勢をそのまま映す証言である。
マルサラの土壌、光、風、そして造り手の人間性が一体となって、飲み手に「シチリアの記憶」として響き渡る。