ル・ブラン ド・ラ・マリエ 2021
国:France (フランス)
地域:Loire (ロワール)
品種:Sauvignon Blanc (ソーヴィニヨン・ブラン)
タイプ:White (白)
土壌:風化した砂が覆う、シレックス混じりの粘土質土壌
栽培:ビオディナミ
認証:ユーロリーフ
度数:13%
インポータコメント
記録的な不作に見舞われてしまった2021年。
ひと嗅ぎすると露骨にグラスから飛び出す新芽、新緑はニュージーランドを想起させるほど鮮烈。
過熟傾向の強くなっているこの土地で新鮮味を覚えます。
スワリング前は未熟香と思わせるほどの清涼感がありますが液体の奥から熟した果実が湧き上がり極めて厳しい選果の完熟と冷涼な果実香のコントラストがあります。
粘性を感じさせない液体感は例年通り、コリアンダーシードを漬け込んだ熟した瑞々しいハチミツのジュース。
香りの印象からは驚くほどに酸が立たず、この品種ならではの軽量な果実がエキスのように上書きしていく。
青さを青さと感じさせないほどに溢れる果実、両立したバランス。
余韻小さくも膨らむような立体感があり、これまで飲んできた中でも新たなステップを予見させる。
ソーヴィニョン・ブランという“品種のワイン”として新世界的な香りに寄せるか、品種の個性的に見えにくいものの果実と余韻を求めていくかのどちらかのパターンが多いと思っていましたが、これがひとつの答えなのかもしれません。
■生産者
Dom. de la Garreliere (ドメーヌ・ド・ラ・ギャルリエール)
本拠地:フランス・ロワール
ドメーヌは南トゥーレーヌ、ポワトー駅のあるリシュリュー村から8キロほど、南向きの丘の上に位置しています。
小さな小川を伴う風光明媚なヴァレ・デュ・ヴーデの谷に20ヘクタールの畑を所有。
アペラシオン的にはトゥーレーヌに分類されますが、地質、土壌的にはそれ以上のものがあります。
粘土石灰質土壌、シレックス土壌、風化した砂地の土壌の畑。
この粘土と石灰の個性あるモザイク状の土壌がギャルリエールの大きな特徴です。
ギャルリエールの名前の語源は古代フランス語の小石、大地、空を意味するgal-galle-garreから来ています。
1987年から経営にあたる息子のフランソワ氏は、「ぶどう栽培は結果が現れるのに時間がかかるが、『ワイン造り』の基本」と説明します。
ギャルリエールの当主フランソワと彼の妻パスカルは、卓越したセンスと直感を大事に葡萄と向き合っています。
『僕の鼻、こいつが一番の先生なんだ。』フランソワはおどけて言います。
葡萄の文化やエルバージュなど、型にとらわれた考えではなく探究心で突き進んでいくうちに、“自然な”方法論にたどり着きました。
ステレオタイプで技術的な味わいのワインにとらわれないドメーヌを目指して、彼は情熱と愛情を仕事の全てに注ぎ込んでいます。