オードリー シラーズ 2017
国:Australia (オーストラリア)
地域:South Australia (サウスオーストラリア)
品種:Shiraz (シラーズ)
タイプ:Red (赤)
土壌:砂質土壌
栽培:フィオナ・ウッド所有のFairy Garten
SO2:無添加
度数:12.5%
インポータコメント
ヤウマが「ゼロ」への挑戦を始めてからもう数年が経過しましたが、そのワイン作りの傾向はどんどん軽くなる一方。
中でも愛娘Audrey【オードリー】の名を冠したこのワインのスタイルは最も激変しております。
昔のオードリーは違っていたのです。幼いながらも意思を曲げない「強さ」を感じ取っていた父親が表現していたのは「力強さ」。
McLaren Valeの古木Shirazを使い、タンニンたっぷりで漆黒の液体がその基調となっていました。
ところが2017年、前妻と袂を分かって以来James Erskine【ジェームス アースキン】の考え方に変化が生じてしまったのです。
それはオードリーの美しさを表現するには「強さ」ではない違った個性にあると考えるに至らせ、彼女の名を冠したワインのスタイルを抜本的に見直す事としたのです。
2017。
この年からオードリーの為にフルーツを収穫する畑をFiona Wood【フィオナ ウッド】が管理するFairy Gartenに変えました。
醸造も彼流のカルボニックを駆使して、エキスの過分抽出を避けています。
何よりフルーツのあるがままを大切にし、Shiraz種とは思えない軽やかな味わいを生み出しています。
「女の子はある日突然変わってしまう生き物だから」
「ワインのスタイルだって変わっても許してくれるよね?」
今年の春にJAUMAを訪れた際、芝生に座りながらピッツァを頬張るジェームスからこの話を聞き、
「うん」
と一言だけ返事をしたのは、オードリーが少し大人びた表情でジェームスの新しい恋人と話し込んでいるのを眺めていたからでした。
オードリーの第二章。軽く冷やしてお楽しみ下さい。
■生産者
Jauma (ヤウマ)
本拠地:オーストラリア・サウスオーストラリア
作り手:ジェームス・デニス・ダンビー
2006年にオーストラリア最優秀ソムリエの栄冠に輝いたジェームス ダンビーアースキン。
世界最優秀ソムリエを目指すかと思われていた彼がその栄冠に輝いた直後にソムリエを辞めた事は誰しもが驚かされました。
ジェームスは既に決心していたのです。
自分自身のワインを作る事を。
フランス・イタリア・スペイン・オーストリア・ドイツで研鑽を積みながら本当に自身が作りたいと思うスタイルに辿り着く訳ですが、ジェームスのスタイルは今正に世界中でインパクトを与えています。
ちなみにヤウマとはラテン語でジェームスを意味していますが、これはスペインでジェームスが出会った若き天才醸造家の名前でもあるそうです。
グルナッシュをシュナンブランを「心のブドウ」と言うジェームスが選んだ土地は南オーストラリアのマクラーレンヴェール。
シスト土壌に砂質土壌が層を成す過酷な環境で、家族と共に文字通り手作りで作る彼のワインにはフィネスがあり一般的に高いアルコールと思いボディを連想させる同地のワインとは格段の差があります。
サンスフルは勿論。
極力何もしないアプローチがヤウマのスタイルです。