ウ・クール・ウヌ・リヴィエール 2020
国:France (フランス)
地域:Lorraine (ロレーヌ)
品種:Riesling (リースリング) 80%
Pinot Gris (ピノ・グリ) 15%
Alban (アルバン) 5%
タイプ:White (白)
度数:13%
インポータコメント
ダイレクトプレスした後、ブレンドしてステンレスタンクで1年間発酵と熟成。
やや淡い黄色。
りんごのコンポートや蜜、蜂蜜、黄柑橘ピール菓子などやや充実感のある果実の香りに、仄かに乳酸的なまろやかさや火打石などの香りが伺えます。
爽やかさと緻密で芳醇な果実の風味が溶け込み、滑らかなテクスチャーで広がっていきます。
口中に膨らむ中で充実感のある果実のほどよい甘やかさやフルーティーな印象に、仄かに感じられる擦りおろしりんごの風味、クレームブリュレのようなまろやかで芳ばしい風味がコクや深みを与えます。
雑味のない澄んだ飲み心地、それでいて重心はやや低くエキスの詰まった果実感がしっかりと伝わり、心地良いリッチ感と旨みが絡み合う味わいが長く続きます。
■生産者
Les Innocents (レ・イノソン)
本拠地:フランス・ロレーヌ
造り手:ブルーノ・ヴァコン
●シャンパーニュとアルザスの中間あたりに位置するアルデンヌ地方のミューズに、ブルーノ・ヴァコンにより2012年に誕生した小さなドメーヌ。
ミューズは1914年〜1918年にかけて繰り広げられた第一次世界大戦の舞台の一部で、国際連合教育科学文化機関のUNESCOより世界平和の象徴として認定されているエリアです。
彼が所有するテラス型の畑は、殉教者の町として知られるヴェルダンから近い場所にあり、土壌には化学物質が散布された痕跡がない。
これはフランス国内でも非常に稀でピュアな素晴らしい状態だが、同時に大戦時の傷跡も多く残されている。
終戦から100年以上が経過した現在でも土壌からは多くの軍需品が見つかり、周りの森の土壌は未だ戦争の爆撃で粉々になったままの状態である。
「この辺りではアメリカ人、イギリス人、フランス人、ドイツ人、セルビア人、カナダ人、アフリカ人など、あらゆる国籍の多くの兵士がここで命を落とした。
想像もつかないほどの憎しみや怒り、絶望などの負の感情が、強い波動となって渦巻いている。
だからこそ以前のように葡萄畑を復活させてワインを造ることが、人々の心の傷を癒して活力と希望を与えてくれるのだと思う。」
とブルーノは言う。
死者の鎮魂と平和への願いを込めてフランス、アメリカ、イギリス及びドイツの国旗に使われている色をラベルにあしらい、畑にはフランスとドイツを代表するぶどう品種を一緒に植え、ドメーヌ名をイノセント(フランス語読み:イノソン)と名付けた。
このロレーヌ地方は1800年代後半に襲来したフィロキセラ禍の頃まではぶどう畑が点在していたが、その後ワイン産業が復活を遂げることはなく、現在はプロでさえワインの産地として認識している人は少ない。
この地方で自然派ワインを造る生産者はブルーノを含めたったの2〜3名のみ。
他地域と比べてとても孤独な環境で毎日黙々と仕事に励むブルーノのワインには、どこか彼の強い意思とエネルギーが感じられ、飲み手を揺さぶるような魅力があります。
●畑及び栽培
標高260M〜300Mの南西向き急斜面の2ヘクタール。
土壌は石灰質が基盤で貝殻の化石が大部分を占める。
福岡式農法の実践を試みており、無農薬、無除草及び無肥料による栽培を旨としているが、農耕馬による耕起と必要に応じてビオディナミの調剤を散布している。
ぶどう品種はリースリング、ピノグリ、ピノ・ノワール、シャルドネ、シャンパーニュ地方の忘れられた品種アルバンヌとプティ・メリエを栽培。
大戦中に張り巡らされていた鉄条網を想起させるワイヤーを使いたくないため、棒仕立てにしてある。
●醸造自然発酵で瓶詰めに至るまで何も加えていない。炭酸ガスは発酵由来のもの。