ドリス 2018
国:Spain (スペイン)
地域:Madrid (マドリード)
品種:Dore (ドリス)
タイプ:Orange (オレンジ)
SO2:無添加
度数:12%
インポータコメント
Dore100%のアンフォラオレンジ。
Chasselas種とDNAが完全一致するこの品種は、MalvarやChelva同様に、歴史的に虐げられて来た過去があります。
多産なんですが、個性に乏しく水っぽい。
そう言われ続けて来たんです。
Fabioのアプローチはバンチを減らして、香りやミネラルのコンポーネントを高める事。
そうする事でアプリコットやマーマレードの魅惑的アロマを引き出しています。
スキンコンタクトは短めの5日(オレンジとしては、ですが)、ステンレス発酵のアンフォラ熟成です。
■生産者
Vino Ambiz (ヴィーノ・アンビズ)
本拠地:スペイン・マドリード
造り手:ファビオ・バルトロメイ
ファビオ・バルトロメイ はイタリア生まれでスコットランド育ち。
妻の故郷であるマドリッド近郊に居を構え、地場品種にフォーカスしたワイン作りを信条としています。
ファビオにとってワイン作りはあくまでも趣味として始めた気軽なものでした。
妻の一族が代々受け継いてきた土地に、放棄されたブドウ畑があり、そのフルーツを使って自分が大好きなワインを自身の手で作ってみよう、そんな気軽な思い付きで スタートしたのです。
醸造学を修めた訳でもなければ、他ワイナリーで働いた経験ゼ口。
勘とインスピレーシヨンだけを頼りに自宅ガレーツで作り始めたワインは、 いつしか彼の本業となりました。
彼と初めて会ったのはバルセロナのワインバーだったのですが、当時彼は高校のパートタイム英語教師として生計を立てながらワイン作りをしていたんです。
文字通り、ワイン作りは趣味だった訳です。
頼りない髪の毛を過日の志村けんばりに後ろで結わえた彼が店に入って来た時は、その余りに見窄らしい様子で「一体どこのホームレスだ」と本気で思ってしまった程。
話してみるとその言葉はハイトーンで、しかしながらとても落ち着いた口調で非常に心地よく人懐こい性格にぴったり。
人を警戒させない親しみ易い野良猫みたいな彼にあっと言う間に引き込まれてしまいました。
一緒に食事をしている最中に、彼の携帯が鳴り、数十秒で 会話を終えた彼は満面の笑みで「教師の仕事解雇されたからワイン作り頑張らなきゃ」と一言。
彼の人間性と、そのワインが見せる性格が余りに一致していると感じた我々はその場で彼との契約を決めたのでした。
持参してくれた数種のワインはどれもこれもが非常にナチュラル。
聞いてみると結婚してから農地を手に入れた際にブドウ畑もあり、野菜も含めた全てを誰からも手解きを受けずにケアして来たとの事。
ワイン作リも全て自分の感性だけで見よう見まねに始めた為、つい最近まで酸化防止剤の存在さえも知らなかったというとんでもない男だったのです。
ディナーを共にしながら今迄に遭遇した事が無い規格外な彼に、あっという間に夢中になってしまいました。
「君は酸化防止剤として二酸化硫黄を平均どれくらい使用してるの?」
という我々の質問に対して
「え?そんな便利なのが世の中に存在するの?知らなかったから使った事一度ち無いよ」
と答えた彼。
ワインのみならず人間自体がピュアな魅力溢れております。