MDI リボッラ・ジャッラ 2025
国:Australia (オーストラリア)
地域:Victoria (ヴィクトリア)
品種:Ribolla Gialla (リボッラ・ジャッラ)
タイプ:Orange (オレンジ)
SO2:ボトリング時に少量
度数:12.8%
造り手コメント
イタリア品種栽培の立役者ChalmersVineyardから。
ステンレスにて野生酵母による自然醗酵、31日間のスキン・コンタクト。
バスケットプレス、オーク樽(新樽なし、228-500L)にて5カ月熟成。
少量の酸化防止剤と共にボトリング。
ノンフィルター、清澄剤不使用。
ほのかにオレンジがかったイエローゴールドの液体。
茶葉やセージ、さらにすりおろしたリンゴのような果肉感。
密度を備えたテクスチャーと抜けのある爽やかさが共存する不思議な魅力。
■生産者
MDI (Murray Darling Italy)
本拠地:オーストラリア・ヴィクトリア
作り手:ケヴィン・マッカーシー
MDIはオーストラリアにおいて「ピノ・グリのゴッド・ファーザー」と称され、同時におそらく初めてオーストラリア産オレンジワインを世にリリースした醸造家、KevinMcCarthy/ケヴィン・マッカーシーとその家族によって2022年にスタート。
主な使命はVIC州マーレー・ダーリングの地で先駆者たちの手によって栽培が続けられてきたイタリア系ブドウ品種の新たな可能性を追求すること。
ケヴィンによれば、「太陽に愛され、石灰質土壌に恵まれ、情熱的な先駆者たちが切り拓いてきたMurrayDarlingItaly=MDIをさらに発展させていくこと」です。
彼らのワインは歴史的にも特に重要な2つの畑から主に産まれます。
1つはPasutVineyardで、スロヴェニアからの移民であるDenisPasutによって1980年代に拓かれました。
もう1つはChalmersVineyardで、数多くのイタリア系ブドウ品種の栽培に取り組んできただけでなく、苗の販売業者としてもワイン業界に多大な貢献をしてきた一家です。
ケヴィンはこれらの先駆者たちと20年以上に亘って強固な信頼関係を築いており、彼らから得ることができる高品質なブドウこそがMDIの根幹を成しています。
そしてケヴィンの醸造家としてのキャリアを語らない訳にはいきません。
モーニントン・ペニンシュラに妻キャサリンと共に設立したT’Gallantでは1990年代にピノ・グリで大成功を収め、オーストラリアにおけるピノ・グリの知名度を大いに高めた功労者として広く知られています。
その後はヨーロッパへさらなる知見を求めてたびたび訪れるようになり、特に師と仰ぐJoskoGravnerによる教え(2007-2018年の間にかけて4回にわたって訪問)、そして彼が造り出すオレンジワインから受けた衝撃はケヴィンの運命を大きく変えることになりました。
すぐに彼はシャルドネ、ゲヴュルツトラミネール、モスカート・ジャッロの3品種からオレンジワインの醸造に挑戦、その後リリースした2008年産のワインがオーストラリアにおける初めての国産オレンジワインと言われています。
そのケヴィンがマーレー・ダーリングのイタリア系ブドウ品種と出会ったのは遡って90年代のこと。
恵まれた自然環境と熱意に溢れた農家によって素晴らしい品質のブドウが栽培されていることに感銘を受けて以来、その信頼関係は今に至るまで続いています。
醸造面では今ではケヴィンの息子Tom/トムが実務を担当することも多く、まさに家族ぐるみでワインは造られています。
醗酵は全て野生酵母により、最小限の酸化防止剤以外の添加物は一切用いません。
また、多くのワインは長期のスキン・コンタクトを経てリリースされます。
酒質はクリーンで、ケヴィンの培ってきたスキルが存分に活かされた高品質なもの。
しかし我々が彼のワインを飲んで驚かされたのは、今日では市場でよく見られるイタリア系品種から造られる多くのオーストラリアワインと明確に一線を画すスタイル、その造り手としてのビジョンがMDIのワイン全てに通底していることでした。
それはまるで伝統を大切にするイタリアの地産ワインを飲んでいるかのような落ち着きと、オーストラリアらしい明るい親しみやすさの両立。
我々はMDIのワインを飲むことで、オーストラリアのワイン業界が培い、内包してきた圧倒的な多様性を実感させられることになるでしょう。