ビアンコ 2017


  国:Australia (オーストラリア)
 地域:Victoria (ヴィクトリア)
 品種:Fiano (フィアーノ)
タイプ:Orange (オレンジ)
 土壌:砂礫、花崗岩
 栽培:オーガニック
 SO2:無添加
 度数:11.5%

作り手より
ビアンコは 2017 年に誕生した新しいキュヴェですが、レギュラー商品ではありません。
この年の理想的な生育期間のおかげで実った、ほぼ完璧といっていいフィアーノのおかげで生まれたものです。
フィアーノは収穫時の果実の糖度があまり高くないので、通常すべて『StaringattheSun-ステアリング・アット・ザ・サン-』を仕込むのに用いられるのですが、2017年は、低い糖度にもかかわらずフェノール類とフレーバーが完熟していたために、思わず少し取り置いて別に仕込んでみたくなったのです。
わたしは重く甘ったるいフィアーノは好みません。
軽やかでアロマがあり、ピンと張り詰めたフィアーノが好きです。
このキュヴェは、この品種にとってはちょっと変わった方法で仕込みました。
ステンレスタンクでのおよそ5ヶ月に及ぶスキンコンタクトを行い、発酵終了後に慎重にラッキング。
さらにステンレスタンクで5ヶ月間熟成し、重力にてボトリングしました。
それからボトル内でさらに5ヶ月の熟成を経て出荷となりました。

長期間のスキンコンタクトにもかかわらず、このワインは重たさとは無縁です。
非常に香り高く、刈りたての青草のようなハーブ、さらにスパイス、セイヨウイラクサ、青りんごの香りがあり、もっと繊細な香りもいくつか感じられます。
香りの構成からは重量感のあるワインだと想像しがちですが、口に含むと軽く、しなやかです。
しかし複雑さと、まごうことなき純粋さが感じられます。
このワインは驚くべき緊張感があり、青りんごを思わせる酸と魅惑的で複雑なフィニッシュに、どんどんグラスが進んでしまうことでしょう。


■生産者
MOMENTO MORI WINES (モメント・モリ・ワインズ)
本拠地:オーストラリア・ヴィクトリア
作り手:デイン・ジョーンズ

Daneはもともとニュージーランドの南島のウエストコースト出身です。
大自然の中で育った彼にとって自然に造られないワインは違和感でしかなかったそう。
大柄でたくましい髭、キャップにド派手なシャツ、という出で立ちはまさにギャングスターといった感じではあるものの、非常にまじめな性格や澄んだ瞳はワイン共々Momento Mori Winesの魅力の一つとなっています。
2004にオーストラリアに移住し、コーヒー業界でバリスタとしてWild Open RoadやProudMaryなMelbourneのなかでもトップクラスと言われるカフェで活躍していましたが、2009年もともとワインに興味を持っていた彼はVictoria州のHarcourtValleyにあるワイナリーで働き始めます。
その後フランスで研修し、その間、彼はJean Francois GanevatとPierreOvernoyを訪れ、彼らのワイン造りの哲学や情熱をシェアし共感することができました。
その経験は今の彼のワインメイキングの核となっています。
また彼は今は亡きRadikonのワインと出会い、イタリアのぶどうが持つ華やかな香りや、スキンコンタクトが生む複雑味などに魅了され、全てのキュヴェはイタリアのぶどう品種から成っています。
ワイナリーのすべては手作業で行われ、必然的に生産量はかなり少ないものの、SO2無しで尚且つ清潔で純粋なワインを作る唯一の方法は、発酵からボトリングまでのすべての面において優しく、丁寧に自分ですべてを行うということだと彼は言います。
2016年もっともオーストラリアのナチュラルワイン界を感動・震撼させたワイン・ワイナリーです。

--- 2017 ヴィンテージについて --- DANE JOHNS より ---
栽培期は、間違いなく私がMomento Mori Winesを始めて以来経験した最も優しい “The Kindest“シーズンでした。
長い間涼しく、また必要なタイミングで雨が降りました。
その結果、酸度が高く、高い糖度になることなく味が熟した果実が得られました。
クリーンでピュア、ストラクチャーもあって、そして私達にとって最も重要な低アルコールになる葡萄を育んだ完璧なシーズンでした。
ワインを造ることは、とても長いプロセスであり、毎年学んだことを適応できる翌年の収穫まで保持しなければならないという意味で多くの忍耐を教えるものです。
それができれば、様々な事を洗練させるのに役立ち、自分が思い描く理想のワインに一歩近づくワインを造ることができるのです。
今年はその理想のワインに最も近いものを造ることができました。

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